旬彩暦2006
1月の食材
2月の食材
3月の食材
4月の食材
5月の食材
6月の食材
7月の食材
8月の食材
9月の食材
10月の食材
11月の食材
12月の食材
 
  西条市の食材と料理人とのコラボレーション「旬彩暦2006」
   
日本料理は水に始まり、水に終わる。
  碗物は、土地の水に昆布と鰹で味を付け飲んでいただく。造りは土地でとれた魚を生のまま味わう。そこからは焼き物や揚げ物のように素材から水分を抜き、旨みを凝縮させたりする。また炊き合わせのように素材とだしをあわせて新たな味わいを作り上げる。そして酢の物で気分を落ち着かせ、御飯を出し、水物と呼ばれる果実で終焉を迎える。
つまり私達の食生活で、水がどれほど重要な役割を果たしているか。この流れを記すだけでも明確となる。といっても野菜は水だけで成長するものではない。水の質と太陽の恵み、風の流れなどが上手くミックスされ、初めて質のいい野菜が生まれる。
愛媛県西条市には、「うちぬきの水」と呼ばれる「名水百選」にも選ばれた水がふんだんにある。初めて西条市を訪れ、その水を口にしたときの感覚はいまも鮮烈である。なんの抵抗もなく口を洗い喉を通過し、食道を流れていった。そこにえもいわれぬ上品でかすかな香りが鼻腔に抜けていったのだ。
続いて畑におり、「絹皮なす」を枝からもぎ取り、そのまま口に含んだ。新鮮な甘みを含んだ水分が口の中で弾け思わず「これはすごい」と声をあげた。当分、その感激は収まることなく、関西の多くの料理人に伝えたのである。
絹皮なすだけではない。キュウリやさといも、柿など多くの野菜や果実で、同じような驚きと感動を得ることが出来た。今回の食材カレンダーは、その西条市の水と光と風が生み出した賜物、それらに関係した人達全てと卓越した腕を持つ料理人の共同作業で完成したものである。
フードコラムニスト 門上 武司

◆関係者プロフィール◆
フードコラムニスト・「あまから手帖」編集主幹 門上 武司 氏
食に関する執筆を多く手がけ「あまから手帖」「おとなの週末」などに連載をもつ。また「dancyu」などの食専門誌にも執筆多数。テレビでも料理番組のブレーン・レギュラー出演なども多数。著書に「大阪の仕事人!」(風塵社)、「京料理、おあがりやす」(廣斉堂出版)、「スローフードな宿」(木楽舎)がある。企画編集出版多数。スローフードジャパン・副会長。神戸学院大学客員教授。
京都梁山泊 店主 橋本 憲一 氏
大学在学中、演劇を志して上京するが、「旨いもんが食べたい」という一心で料理の世愛へ。独学で料理を学び1973年1月、「梁山泊」を開店。日本各地の生産の現場を訪れ、器や素材も徹底的に追及する。著書に「食いしん坊の料理屋です」(晶文社)ほか多数。
レストランヴァリエ オーナーシェフ 高井 実 氏
大阪のホテルプラザに15年勤め、その間に南仏の星を持つレストランでも経験を積んだ。インテリアから食器まで料理を最大限に表現できることにこだわり、日本はもとより世界各地から選んだ旬の食材で作る料理は、シェフの感性のよさが伺える。
トラットリア・パッパ オーナーシェフ 松本 喜宏 氏
83年から6年間、東京「ラ・コメータ」で鮎田淳治シェフにつき修行、89年にホテルニューオータニ大阪「Fontana」へ。イタリア食堂「Pino」などを経て、02年に独立。店名の「パッパ」は鮎田さんのマダムカルメリータさん命名、イタリアの子どもが使うご飯という意味。
日本料理太庵 主人 高畑 均 氏
「味吉兆」で15年修行を積み、34歳で独立。味にうるさい客が多い島之内にあえて店を出した。客との会話をヒントにして、積極的に柔軟に新しい料理に取り組む。スタイルを固めることなく、新たな日本料理の道を切り開く期待の料理人である。

◆旬彩暦2006◆
1月の食材 7月の食材
2月の食材 8月の食材
3月の食材 9月の食材
4月の食材 10月の食材
5月の食材 11月の食材
6月の食材 12月の食材

西条市 食の創造館 〒799-1353 愛媛県西条市三津屋南2-54 TEL0898(65)7150 FAX0898(65)7151
Copyright(C) 2007 sics. All Rights Reserved.