酒蔵紹介へ戻る
酒蔵見聞録 其の弐 蔵本屋本店 田坂さんのお話と酒蔵見学
2007年11月9日(金)西条市氷見の蔵本屋本店を訪ねました。
蔵本屋本店は安政2(1885)年創業、
小松藩主の一柳家に御用酒を納めたという歴史ある酒蔵さんです。

こちらがお店の看板です。



現在、4代目の田坂c市朗氏は蔵元自ら杜氏として、
すべてひとりで酒を造っておられます。
お忙しい中、いろんな話をしてくださいました。



こちらの酒蔵は
『蔵元兼杜氏として、たった一人で酒造りを行っている、日本一小さい酒蔵』
として本にも紹介されています。


帯にも名前が!


田坂さんは、
「お酒というものは生き物ですから、
造るものではなく、勝手に出来るもので
私は見ているだけです。
親がなくとも子は育つというように
お酒も一緒で自然と出来るものです。
自然の中ですくすくと成長してゆくのを手助けするという感じです。」

とおっしゃっていました。

ほぉぉぉぉ
田坂さんにとって酒造りは子育てと同じなのか〜
毎回毎回そんな思いで造られているんですね。
これは大事にいただかないと!

「なんでお酒を飲むかというと、ごはんが倍ほどおいしくなるからです。
お酒とご飯は相乗効果があります。
例えばお刺身だけ食べるより、お酒が加わることで
よりいっそうおいしく感じられます。
そういう飲み方をしてほしいと思います。」


これが大事に育てあげた造り手さんの思いなんだろうなぁ。


「お酒の1升という単位はアルコール計算するとウイスキーのボトル1本になるんですよ。
1合というのはウイスキーのダブルといっしょです。
ということは世界どこでも1合という基準はだいたい同じなんです。
経済的にいいのか、酔い加減がいいのか、
1合という数字には意味があるんです。」


お酒はごはんと一緒に楽しめるぐらいがちょうどいい量がなんでしょうね。


「日本酒やワインは大昔から作物から自然と出来るものなので、
人間の体も自然に反応できるようになっているんですよ。」


その言葉がとても印象的でした。
日本酒は二日酔いがこわいとかよく聞きますが、
それは自然現象なんだと思いました。


そんな蔵本屋さんが造られたお酒は
平成18酒造年度全国新酒鑑評会で入賞、
平成19年四国清酒鑑評会で優等賞受賞しました


こちらが大吟醸 『市兵衛』(いちべえ)


私もこちらを買って帰りました。
甥っ子の七五三のお祝いでみんなでいただきました。
「氷見で1人で酒造りをされてる方のお酒なんよ」と説明しながら。
造り手さんの顔がわかり、気持ちが伝わると
深く味わって、おいしくいただけるような気がします。

こちらは純米酒 『行光』


そのほか、特別本醸造『京人形』、『行光』があります。

こちらは蔵本屋本店でのみ買うことが出来ます。
(インターネットで1件のみ販売されています)
また、西条市内の居酒屋
どんどん屋ひょっとこで飲めます。

蔵本屋本店では年明けから仕込がはじまるそうです。
この時期お休み中の蔵の中を拝見させていただきました。

蔵の中を見させてもらえるのははじめてです。

醪(もろみ)の3段仕込用樽です。
おっきい〜

蒸米・麹・酒母・水を仕込み醸酵させます。



熟成した醪の圧搾機です。


昔ながらの道具はなんだかあったかい感じがしました。
あと一ヶ月少しでこの蔵も活動開始です。
田坂さんが作業している風景がなんとなく浮かんできます。
次に田坂さんが育てたお酒はどんな風になっているのでしょうか?
楽しみです。


西条市 食の創造館 〒799-1353 愛媛県西条市三津屋南2-54 TEL0898(65)7150 FAX0898(65)7151
Copyright(C) 2007 sics. All Rights Reserved.